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研究プロジェクト

平成16年度共同研究テーマ
次世代デジタルスタイリングデザイン研究開発プロジェクト
岸浪 建史 開発プロセスを一体化した
デジタルスタイリングを可能にし、
高品質・高機能の
プロダクトモデルを提案する
岸浪 建史
北海道大学理事・副学長
大学院情報科学研究科教授
デジタルスタイリングの時代へ
 グローバル環境の変化は、ものづくりのプロセスに大きな変革をもたらした。CAS、CAD、CAM等を用いたコンピュータによるデジタルスタイリングが普及したのである。しかし現状のデジタルスタイリング技術では、意匠デザイン・解析・プロトタイピング間での製品形状モデルデータが統一されていなかったり、意匠デザインとUI組込ソフトデザインの間で設計仕様データが連携しないなど、様々な問題がある。本研究がめざす次世代デジタルスタイリングでは、そのようなモデルデータの統一・共有を進め、スタイリングプロセスの統合を可能としたツールを開発する。それによって高品質・高機能なデジタルプロダクトを開発するワークベンチを構築し、日本の「IT機器ものづくり技術」を先導する札幌の優位性を確立する。

事業化へ向けた開発段階へ移行
 2003年度までは9つのテーマで研究開発を進めてきたが、2004年度は具体的な事業化を目指した開発段階へと移行した。(A)高品質で効率的な意匠デザインを可能にするメッシュモデルデザイン用形状モデリング環境の開発、(B)実製品に近い高品位なプロトタイプモデルを造形するRPシステムの開発、(C)意匠デザインとユーザーインタフェース設計を同一環境上で行なえるソフトウェアの開発、(D)IT機器のユーザビリティ評価を設計早期に行なえる支援システムの開発である。(A)のメッシュモデリング技術では市販の3DCADシステムのアドオン拡張機能として実装できることが確認され、事業化への道筋が見えてきた。また、(D)では高精度・高機能なデジタルハンドモデルの開発に成功し、GUIシミュレーションデータと連携したアーゴデザイン評価を可能にしている。

■研究課題 2-A
次世代スタイリング用ワークベンチソフトウェア開発
■参画機関 北海道大学、札幌市立高等専門学校、(株)日立製作所機械研究所、(株)エクサ、(株)ビー・ユー・ジー、アームデザイン(株)
■平成16年度の
  目標
市販ソリッドモデラに統合された、メッシュモデルに基づく新たなデザイン用形状モデリング環境を開発し、ソリッドモデリング環境のみでは不可能な、高品質で効率的な意匠デザインを可能にする
■平成16年度の
  研究内容と成果
(1)デザイン向け迅速モデル立ち上げ技術・表面テクスチャ付き高品位メッシュモデリング
@表面微細テクスチャモデリング
 ・高品質表面形状モックアップの低コスト迅速試作を実現
A細分割曲面リバースエンジニアリング
 ・デザインモックアップからの迅速モデル化・測定データ圧縮を実現
B手書きスケッチからのメッシュモデル類似検索
 ・モデルDBの効率検索・形状発想支援の実現

(2)多重解像度メッシュに基づく高品位・高能率な強度解析技術
・解析熟練者が作成した解析メッシュを設計者向けシステムで利用可能とした

(3)多重解像度メッシュに基づく高品位・高能率なCGレンダリング技術
@塗装面の色評価(携帯電話等の情報機器、自動車のボディー等)
 ・実際の塗装面とCGレンダリングの結果の色が一致。
  色味をリアルタイムで評価できるシステムを実現

(4)メッシュモデリングを利用したデザインモックアップのプロトタイピング製作

(5)メッシュモデリング−ソリッドモデリングの機能統合とモデル自動変換技術の商用CADへの実装
■研究課題 2-B
ハイブリッドRPシステム開発
■参画機関 北海道立工業試験場、北海道大学
■平成16年度の
  目標
実製品に近い高品位なプロトタイプモデルの造形が可能な、新たな光造形装置および造形手法を開発する
 (1)基盤、スイッチ等が正確に配置でき、ビス留め等ができる寸法精度の
 高い光造形モデルの作成手法の開発
 (2)デザイナー等の指定色、テクスチャー(皮シボ、マット等)を忠実に
 反映できる造形機および手法の開発
 (3)3次元測定、CADデータの効率的な処理手法の開発
■平成16年度の
  研究内容と成果
(1)高品位なプロトタイプモデルの造形が可能な、新たな光造形装置および造形手法の開発
・透明クリスタル造形・ゴム型直接造形が可能
・スケルトン、エナメル系の多層着色造形が可能
・テクスチャー(皮シボ、マット等)の造形が可能

(2)上部樹脂供給型コーターと自動樹脂着色供給システムを持つ光造形機の試作(特許申請中)
■研究課題 2-C
次世代挙動プロトタイピング用ワークベンチソフトウェア開発
■参画機関 北海道大学、(株)富士通九州システムエンジニアリング、北海学園大学、旭川工業高等専門学校、北海道立工業試験場
■平成16年度の
  目標
筐体デザイン用CADと同一環境上で、GUI制御ソフトウェアや機構制御ソフトウェアとの協調動作をシミュレーションにより確認できる機能を開発する
■平成16年度の
  研究内容と成果
(1)ユーザインタフェース挙動仕様の迅速設計・検証機能
・製品機能仕様とユーザインタフェース(UI)挙動仕様のデジタル化
・形式仕様記述によるUI挙動仕様のもれ・抜け自動検証
◎デジタルカメラ操作部UIの挙動仕様の場合、9割強の仕様が提案手法で
 自動生成可能(特許出願中)

(2)CAD上でのGUIソフトウェア挙動の協調シミュレーション機能
・UI挙動仕様のデジタル化と長期安定保存
・筐体形状とUI挙動仕様データとの対応付けによる、3Dデジタルモックアップを
 利用した操作シミュレーションとデザインレビュー
・UI挙動仕様データ各種技術仕様文書自動生成への再利用

(3)CADとファームウェアシミュレーターとの協調シミュレーション機能
・機械系3DCAD、電気系CAD、ファームウェアCAD等を相互接続し、
 センサ・アクチエータ信号を交換しながら、協調シミュレーション可能な
 接続機能を開発
・協調シミュレーションでしか発見できない、隠された設計ミス、例外処理の
 妥当性の早期検証
◎全方向移動車輪電動車椅子の組込み制御システム設計への協調
 シミュレーション機能の適用応用を実施
■研究課題 2-D
ユーザビリティ評価支援ワークベンチソフトウェア開発
■参画機関 北海道大学、産総研デジタルヒューマン研究センター、札幌市立高等専門学校
■平成16年度の
  目標
IT機器の3次元CADモデルやGUIシミュレータ、さらに設計早期段階で作成できる筐体モックアップを活用し、身体的観点と認知的観点からのIT機器ユーザビリティテストを、設計早期に低コストで行なえる支援システムを開発する
■平成16年度の
  研究内容と成果
(1)デジタルハンドモデルを用いたアーゴデザイン評価機能
・手と機器の寸法バランス、安定感、持ちやすさ、押しやすさ、すべりにくさ
 等の自動評価
・機器の利用頻度に併せた、適切なボタン、ダイアル等の位置の再設計

(2)RFIDを用いた筐体モックアップ上でのGUI操作理的記録・分析機能
・小型RFIDチップ・リーダーを利用した着脱自由なボタン代替機能
・GUIシミュレーション画面の筐体モックアップ上への投影
・「どの指で、どのボタンを、どの時刻に操作したか」の操作記録を、
 1ms単位でデジタルデータとしてCSVファイルに保存可能
■平成16年度 特許出願状況(2005年3月31日 現在)
種 別 発明の名称
特 許 光造形装置、コータ及び光造形方法
特 許 四面体メッシュ生成方法およびプログラム
特 許 有限要素解析用の四面体メッシュ生成方法および その方法を用いた有限要素解析システム
特 許 ポインティングデバイス
意 匠 無線通信機
意 匠 監視用カメラ
意 匠 無線通信機
意 匠 監視用カメラ
特 許 3次元モデルのフィッティング装置及び方法
特 許 3次元メッシュモデルの特徴稜線抽出装置及び方法
特 許 光造形装置及び光造形方法
特 許 3次元デザイン支援装置及び方法
特 許 UI設計検証装置及び方法
特 許 3次元モデルの類似検索装置及び方法
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