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研究プロジェクト

平成17年度共同研究テーマ
移動体向け小型携行情報制御機器・システムの応用技術開発
松原 仁 ■研究代表
公立はこだて未来大学教授

松原 仁

■参画機関
北海道日本電気ソフトウェア(株)、(株)アットマークテクノ、(有)ジャスティックラボ、(株)エスイーシー
観光と防災を包括した平時・非常時両用システム
 本研究では「ムーバブルコンピューティング」をキーワードに、移動や持ち運びができ、さまざまな情報機器がシームレスに連動しながら人間の行動をサポートする小型携行情報機器・システムの研究開発を行なってきた。2005年度からは、地域と関係の深い事業領域への選択と集中を行ない、防災情報を組み込んだ観光情報システムの応用技術開発に特化している。防災情報を組み込んだ観光情報システムとは、携帯電話などのモバイル端末を利用した情報配信システムで、平常時は観光スポットの紹介や交通情報などを配信するが、地震などの災害が発生した場合は被害状況や緊急避難場所などの防災・ライフガード情報を表示するというもの。普段持ち歩く情報端末を利用することで、いざという時にも役立つ利便性の高い防災情報になると期待されている。情報端末は携帯電話以外にも音楽プレーヤ、映像プレーヤ、デジタルカメラなどを想定し、一部の市販音楽プレーヤへの実装も実現している。

地域企業と連携し函館地区でサービス提供を開始
 2005年度は、観光エンターテインメント分野および防災・ライフガード分野におけるハード・ソフトの実用化と、事業モデルの確立に注力した。観光分野ではハイビジョン観光ガイド映像データベース、携帯端末向けのハイビジョン映像配信システム、音楽プレーヤを利用した観光音声ガイドシステムなどを開発。防災分野では機器感応型防災情報同期システムを開発し、観光・防災両用のデータベース構築に取り組んだ。これらの成果をもとに、2006年4月からは地場企業と共同で函館地区をターゲットとしたサービス提供を始める。協力会社である(株)エスイーシーは、気温・湿度・雨量・風向風速などを計測する一体型気象センサーとインターネットを利用した地域ネットワークを形成する「草の根 防災ネットワーク」を立ち上げている。本プロジェクトでは同社のセンサー情報と防災情報データベースを連携させたシステムを構築。平常時は観光情報や観測情報として提供し、災害時には近隣の観測情報を表示する。本サービスに関しては函館市の協力も得ている。

研究成果報告
■成果の概要
(1)移動体を支援する観光情報・防災システムプロトタイプの試作
機器感応型観光防災情報配信システム
情報を俯瞰するシステムを試作し、ハードウェアと連動して必要な情報を適用できるシステムを完成させた。ポッドキャスティングにも対応し、市販小型情報機器が利用可能である。
■成果の概要
(2)高密度観光防災情報システムと連携ハードウェアへの組込システム開発
ハイビジョン映像等の高密度映像情報をはじめ、多国語化した情報コンテンツを、パソコンによる高価な機器を介さずに配信する組込システムを開発した。
■成果の概要
(3)高密度観光防災情報のデータベース化と利用環境整備
小型組込情報機器との連携システム基盤を構築。現在、イントラネット環境において試行可能なシステムが稼働している。
人感センサーにより、人が自席にいるか自動的に判断。
サーバーから簡単にアラート通知を変更可能。
アラートの通知場所を変更可能。  
(プレゼンス・ボックス、携帯電話、メールなどへ)
企 業 〜 Interview 〜
「草の根防災システム」と連携した平非両用情報同期配信システム
藤田 和徳 氏 株式会社エスイーシー 取締役

藤田 和徳 氏

 当初、この事業は携行型小型情報機器に観光情報を提供するシステムが考えられていましたが、弊社で「WeatherBucket」という気象値の予測ができる観測システムをやっていたことから、観光だけでなく、非常時の災害情報をコミュニティに発信するシステムを同時に行ってはどうかと提案させていただき、進めてきました。

 「WeatherBucket」は、コストパフォーマンスが高い一体型気象観測システムで、ソーラーパネルとバッテリーを併用し、特定小電力無線でデータを送ります。最初は学校教育用の「デジタル百葉箱」を意識していましたが、農業情報システム・環境情報システムや防災システムなど幅広いソリューションに利用されるようになりました。これまでは気象庁の広範囲な情報のみで、住民が居住地区単位の小地域での気象情報を利用することは不可能でしたが、このような観測システムによって、住民の草の根防災ネットワークをつくることが可能になりました。

 この草の根防災ネットワークと、ITカロッツェリアが進めるムバコンによる観光・防災情報配信をむすびつけることが私たちの事業イメージです。たとえば平常時は、観光客のもつ端末には観光情報データベースに基づく観光情報のサービスが提供されますが、災害時にはその端末がそのまま防災情報を受け取り、危険を回避するように警告します。

 観光地で災害に巻き込まれる事例は後を絶ちませんが、このシステムは、安全・安心を提供するとともに自治体のコスト削減にも貢献します。
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